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評価:
小川 洋子
文藝春秋
¥ 1,780
(2009-01-09)
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泣きました。泣くとは思わなかったのに泣いてしまった。
『大きくなること、それは悲劇である』
これは大きくならずにはいられない万物への皮肉でもあるのかな。
大きくなることを恐れ続け、11歳の大きさのままで大人になってしまったリトル・アリョーヒン。大きくなることを恐れるリトル・アリョーヒンにやるせなさを感じずにはいられなかった。
美しくて切なくてそして少し心温まる作品。例えるならリトル・アリョーヒンとミイラが、博物館の片隅に並ぶ小さな小さなチェス版について語る時のように、小さな声で語りたくなるお話。