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評価:
万城目 学
文藝春秋
¥ 1,650
(2009-02-26)
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内容(「BOOK」データベースより)このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。
個人的には鴨川ホルモーのほうがぶっとんでて好きでした、が、不覚にも父から子への伝承のあたりでちょっとぐっときた。大阪国の人々がそれぞれの「役割」を果たしていくところも結構好きだった。「父と子が二人だけで歩むトンネルでの往復の時間は、二度と持つことができない二人だけの記憶になる。そこで託される言葉は、二度と聞くことができない二人だけの約束になる」
『大阪全停止』っていう帯を見ると、国家とか大規模な団体の割と無機的なものが主題なのかと思うけど、そうじゃなくて大阪らしい(?)義理人情がテーマだった。でもそういう巨大な機関を動かすのだって人間なんだから、それも当たり前といえば当たり前か。
おもしろかった!