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本と映画。腐女子なので感想にBL表現まじります。そのあたりご了承のうえどうぞ。
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# ドーン
評価:
平野 啓一郎
講談社
¥ 1,890
(2009-07-10)

内容(「BOOK」データベースより)
2033年、人類で初めて火星に降り立った宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、宇宙船「DAWN」の中ではある事件が起きていた。世界的英雄となった明日人を巻き込む人類史を揺るがす秘密とは?愛はやり直せる。


平野さんの書く小説は、まさに現代にふさわしい小説だと思う。
この「ドーン」は勿論、「決壊」でも現代、あるいは近未来における科学的な発展に伴う弊害に焦点を当てつつ、人間(人類?)が抱える普遍的な問題を描いている。こういった文学の中で社会への問題提起がなされるべきだ、とは思わないし、必ずしも必要なものだとは思わないけど、未来を予見するような平野さんの小説はこの現代社会にあって書かれるべくして書かれた、という感じがする。確かに普遍的な問題を描いていることで、既に語り尽くされた感のある物語と言えなくもないけど、これは今この瞬間に読まれてこその価値がある作品のような気がする。
今作中では、「個人」=「individual」に対する「分人」=「dividual」という概念が描かれている。「分人」というのは、「個人」が使い分ける人格のようなもので、例えば一人の人間が家族の前、友人の前、上司の前等で、普通それぞれに対して適切な態度を使い分ける、その一つ一つを「分人」と呼び、「個人」は「分人」の集合であると述べられている(さらにこの考え方を「分人主義」=「dividualism」とも呼ぶ)。

個人的に、火星探査船「ドーン」をテーマにした同人(!?)小説がネット上で書かれ、読まれ、という展開に笑った。すごくリアル。
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# 決壊
評価:
平野 啓一郎
新潮社
¥ 1,890
(2008-06-26)

評価:
平野 啓一郎
新潮社
¥ 1,890
(2008-06-26)

内容(「BOOK」データベースより)
2002年10月、全国で次々と犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。被害者は平凡な家庭を営む会社員沢野良介。事件当夜、良介はエリート公務員である兄・崇と大阪で会っていたはずだったが―。絶望的な事件を描いて読む者に“幸福”と“哀しみ”の意味を問う衝撃作。


徹底的なニヒリズム…!
おもしろかったけど、決して快い読書ができる本ではなかった。
はっきり言って読むのが辛い。きつすぎて途中寒気が…。

平野啓一郎さんは初めて読んだけど結構好きだった。
今作はドストエフスキーの影響を受けた作品らしいですが、確かに現代版『罪と罰』とも言えなくもないかも。「殺意」を誰か特定の個人から個人に向けられたものではなく、「純化された殺意」「世界の殺意」のように匿名で無名の純粋な意思(意思?)に昇華させているのが『罪と罰』のラスコーリニコフ的だと思う。
インテリの転落とか、ただラスコーリニコフを踏襲するだけじゃなくて、いじめ、現代人の没コミュニケーション、ネット社会、マスコミの執拗な報道、冤罪とか死刑制度とか現代的な問題提起に溢れた、まさに“現代版”を冠するにふさわしい本なのかも。
しかし怖いな…。「殺人」という目的のために「殺人」が行われるなんて恐ろしい。自分の利益(例えば誰かが憎いからとか、金銭的な事情とか)のために罪を犯すほうがまだ人間的だと思う(決して犯罪を擁護しているわけではなく)。でも今はきっとそんな「純化された殺意」による犯罪が多いんだろうな。なんか悲しいよ!

他にすごく個人的な感想として、遺族と遺体の対面のシーン、あと良介のビデオなんかはものすごく心が痛んだ。あまりに辛くて読むのやめようかと思った。このあたりは平野さんの文章力なんだろうと思う。

とにかく色々考えさせられる本でしたー。文庫化したら欲しいなー。
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