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評価:
埜田 杳
角川グループパブリッシング
¥ 460
(2009-02-25)
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内容(「BOOK」データベースより)不眠症の高校生・桧山は毎夜窓の外を見下ろし、夜の町に深い海のような孤独を見ていた。そんなある夜、やはり眠れずに彷徨していた同じ学校の矢鳴に声をかけられる。矢鳴の幼馴染みキューピーさんも加わって、不思議に心地よい日々が始まった。だが、矢鳴はある奇病に罹っていたのだ―羽が生えて四散する肉体。喪った掌の温度、嫌いすぎて触りたい関係―切実な痛みに満ちた、かけがえのない物語。
上の内容の『些末なおもいで』他、『dysprositos』『熱い骨』二編の短編が収録されてます。
『些末なおもいで』…一節を抜粋。「ほんとうに哀しいのは、消えてしまった瞬間ではないんだ、と。ほんとうに哀しく、堪えがたいのはその後流れ続ける日常だ。」結局桧山は矢鳴を思って泣くことはない。自分のために泣く。
『dysprositos』…男の子同士の、こういう微妙な距離感好きだなー。気まずいけど、離れ難い、みたいな感じ。
『熱い骨』…内容の割に短過ぎた気が。そのせいでちょっと拍子抜けした。この二倍くらいのボリュームでも良かったと思う。