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評価:
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新潮社
¥ 860
(2009-01-28)
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内容(「BOOK」データベースより)これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。
伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、米澤穂信、佐藤友哉、道尾秀介、本多孝好という錚々たる顔ぶれによる中篇集。実は恥ずかしながら伊坂さん以外は初読。
首斬り男の周辺/伊坂幸太郎…良くも悪くも伊坂的。『ラッシュライフ』を彷彿とさせる構造で、この短さでこの数の登場人物を巧みに操る力はさすが。山崎久嗣のツンデレっぷりが将来有望。
プロトンの中の孤独/近藤史恵…自転車ロードレースの話。08年の本屋大賞2位『サクリファイス』(読んでないけど)も自転車ロードレースの話だったからなんか関連があるのかなーと思ったら『サクリファイス』の外伝みたいですね。おもしろかったよ!男たちの友情と謀略とプライドのぶつかり合いが好きでした。
ストーリー・セラー/有川浩…男女の恋愛模様を描いた話でこんなにときめいたのは久しぶりかもしれない。一般的にどうかはわかんないけど個人的にツボでした!主人公の口説き方と奥さんの男前っぷりが好きなのかも。泣いた!
玉野五十鈴の誉れ/米澤穂信…オチにぞっとした。ブラックな雰囲気がすごく好き。祖母怖い。けど一番怖いのは五十鈴?
333のテッペン/佐藤友哉…東京タワーの頂上で起きた謎の殺人事件の話。登場人物の会話のテンポが伊坂さんとちょっと似てる気がした。文体は好きだな。
光の箱/道尾秀介…だ ま さ れ た !人間の暗部を適度に描きつつ心温まるストーリーになっていた。中高生の甘酸っぱい恋愛に思わずにやにやした。若いっていいな!
ここじゃない場所/本多孝好…秋山くんかっこいー!女子高生の割に老成したリナの雰囲気も好きでした。おもしろかったけど、結局全体を通して何が言いたかったのかよくわかんなかった。あの洋館にいたメンバーについてもっと知りたかったな。特殊能力を持った彼等についての長編の導入みたいだった。
全七編。はずれもなくておもしろかった。さすが今をときめく作家陣!米澤穂信さん、有川浩さんとあと近藤史恵さんの『サクリファイス』は読みたいなー。
とにかく豪華なアンソロジーでした!ごちそうさま!