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本と映画。腐女子なので感想にBL表現まじります。そのあたりご了承のうえどうぞ。
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# バルタザールの遍歴
評価:
佐藤 亜紀
文藝春秋
¥ 660
(2001-06)

内容(「BOOK」データベースより)
「今朝起きたらひどく頭が痛んだ。バルタザールが飲みすぎたのだ」一つの肉体を共有する双子、バルタザールとメルヒオールは、ナチス台頭のウィーンを逃れ、めくるめく享楽と頽廃の道行きを辿る。「国際舞台にも通用する完璧な小説」と審査員を瞠目させ、第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作。


佐藤亜紀さん好きすぎるw
久しぶりに佐藤亜紀さんの文章読んだら好きすぎて震えました。
今は文春文庫で出てるけど、たまたま古書で新潮文庫のほうを見つけたので、そっちを買いました。絶版なのがもったいない。新潮版は装丁がおされかわいいので古書でも手に入れる価値があると思う。
佐藤亜紀さんはハマるとものすごい萌え小説なので、読みながら悶える。メルヒオールとバルタザールのやりとりが秀逸。
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# 訪問者
評価:
恩田 陸
祥伝社
¥ 1,680
(2009-05-14)

内容(「BOOK」データベースより)
山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った―。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。 


クローズドサークルミステリが涎が出るほど好きです。
長編ではあるけど、会話が多いのでさらっと一気に読める。というか一気に読まないと登場人物の関係がわからなくなりそう。
なんか色んな事件が起きすぎて、結末ははぐらかされたような気もするんだけど。
全員が疑わしく、思わず疑心暗鬼になってしまうような不穏な空気は健在でした。
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# モダンタイムス
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,785
(2008-10-15)

岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねぇんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」


明確な勧善懲悪なんてない。そんな話だった。

途中、涙が止まらなくなってどうしようかと思った。
泣く話じゃないのに、中盤あたりでかなり泣いた。
これだけでも独立した話として読めるけど、『魔王』は先に読んでから読むべき、絶対。おもしろさが違うと思う。さらに言うなら、『魔王』を読んだ人はこれを読むべき、絶対。
それにしても伊坂さんの話は主人公総受け傾向がすごいですね。岡本渡辺も井坂渡辺もすごくいいと思いました。
伊坂幸太郎も好きだけど井坂好太郎好きだ!いいキャラでした。

播磨崎中学校 安藤商会 個別カウンセリング で検索する勇気はあるか。

恐る恐る検索したらちゃんと出会い系サイト風のモダンタイムスのサイトがトップに出て来て笑った。あ、勇気は実家に忘れてきました。

以下ネタバレ↓
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# 魔王 JUVENILE REMIX 10
評価:
伊坂 幸太郎,大須賀 めぐみ
小学館
¥ 420
(2009-08-18)

せっかく最終巻なので感想書いときます。
とりあえずあれだ。魔王好きだ!

魔王=潤也のような描かれ方でしたが、個人的に、魔王は愚衆と化した民衆だと思う。原作読んだときに思ったことでもあるけど、最も恐ろしいのは、犬養のような政治家でも、安藤や潤也のように時代の流れに逆らおうとした人間でもなく、考えることを放棄してしまった民衆なんじゃないかな。時代の流れをつくるのも、変えるのも、結局は大多数の民衆の力だと思う。
だから最後に潤也も、人々に自ら考えさせるための時間を与えるために行動した。
まあ、結果的に人々を煽動するようなカリスマ性を持ってしまっていた犬養も恐ろしい存在なんだろうけど。
でも、結局魔王が誰なのかわからないまま終わるのもこの作品の魅力だと思います。安藤が魔王でも潤也が魔王でも犬養が魔王でもいい。

『魔王』というタイトルではあるけど、他伊坂作品の要素をちりばめながら、大須賀先生はよくここまでまとめあげたと思う。優午Tシャツとかほんと大好き。伊坂好きにはいろいろたまらんかったー!
とりあえず、秋から始まる蝉主人公のスピンオフが楽しみです!伊坂×大須賀すごいよ。

↓以下ネタバレだったり腐ってたりする感想
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# ボックス!
評価:
百田尚樹
太田出版
¥ 1,869
(2008-06-19)

内容(「BOOK」データベースより)
高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。


2009年本屋大賞5位受賞の作品。エンタメ小説でした。
あまり感動しきれなかった。百田尚樹さんは放送作家さんでもあるそうですが(むしろそっちが本業?)、文章力のなさが気になった。あっさりしすぎているというか、普段本を読む人には物足りないんじゃないかなーと思った。
でも、スポーツとしてのボクシングがどういうものなのか少しわかったような気がした。私もはっきり言って耀子のようにボクシングって野蛮で残酷なスポーツだと思ってたけど、そうじゃなかった。原始的な闘争本能が必要とされるのは確かだけど、意外と洗練されていて理性的な面もある競技だってわかった。

全体的に木樽×鏑矢でした。カブちゃんユウちゃんて呼び合う二人がかわいすぎ…!なんか他の人には入り込めない仲の良さがある。鏑矢も木樽のことは「特別だ」って言ってたし。
ところで木樽が鏑矢を試合で倒した後、最初に二人で早朝ロードワークをした後のシャワーは一緒に浴びたんですかね?どうしても文脈的にそうとしか思えなくて一瞬BL小説読んでるかと思った。
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# I LOVE YOU
評価:
伊坂 幸太郎,石田 衣良,市川 拓司,中田 永一,中村 航,本多 孝好
祥伝社
¥ 630
(2007-09-01)

内容(「BOOK」データベースより)
恋愛には未知の物語がある。初めて恋心を意識したとき、幼なじみに異性を見出したとき、彼女とのあいだに微妙な心の距離を感じたとき、初恋の同級生と再会を果たしたとき、彼女と恋愛のルールを決めたとき、そして連れ添った相手との別れを予感したとき…さまざまな断片から生まれるストーリーを、注目の男性作家陣が紡ぐ、奇蹟の恋愛アンソロジー。


そういえば全員男性の作家さんだった。

透明ポーラーベア/伊坂 幸太郎…弟と姉と姉の元彼、あと弟の彼女と姉の元彼の現彼女の話。ホッキョクグマ。ていうか姉の彼氏×弟かと思ってちょっとどきどきした。「壁を見ているホッキョクグマを、見ている富樫さんたち」「を、見ているわたしたち」「を、見ている宇宙人」「を、見ている優樹君のお姉さん」のくだりが好きだった。地球は宇宙人のための人間の動物園ていう説も好き。

魔法のボタン/石田 衣良…男女の幼馴染みが、友達同士の関係から進展する話。魔法のボタンごっこかわいすぎる。思わずキュンとしちゃったよ。

卒業写真/市川 拓司…高校時代に実は両思いだった二人が社会人になってファミレスで遭遇する話。市川さんは女性一人称だとすんごい乙女。男性一人称で書いた文のほうが好き。途中から渡辺くんがかっこよく見えて来るミラクル。

百瀬、こっちを向いて/中田 永一…人間レベル2の男子高校生が人間レベル90の幼馴染みにふりまわされ、恋をする話。あんまり好きな話じゃなかった…。宮崎先輩意味わかんないし。最後のほうで彼なりの理由があったことがわかるけど、それでも納得いかなかったなー。ほんとに人間レベル90だったらこんなことしないでしょ。

突き抜けろ/中村 航…大学生の男の子三人の恋と友情+鍋の話。ちょ、木戸さんかわいすぎ…木戸×坂本に見えた\(^O^)/木戸は大野に坂本のことでのろけすぎ。きっとあのあと大野のことを坂本と間違って襲ってると思う。コンビニの酒コーナーで爆笑するシーン最高。男の子たちが仲良くしてる光景ってほんとほほえましいよ。

Sidewalk Talk/本多 孝好…夫婦が離婚する話。正直この話がいちばん共感できた…。
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# 江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼
BL的にもたぶん有名だと思われる孤島の鬼。BL古典ミステリです。
諸戸があまりにも哀れ。蓑浦は小悪魔(ていうより悪魔?)。蓑浦は諸戸の気持ちをわかってるくせにきっちりした態度を取らないからそういうことになるんだよ!諸戸がかわいそうすぎて泣くかと思った!
追いつめられた絶体絶命のときも靡かない蓑浦は鉄壁。でも普通ノンケの男なんかそんなもんか。自分の貞操を守ろうと思って必死になりますよね。

乱歩ひさびさに読んだけどよみやすいし面白いなー
| comments(0) | trackbacks(0) | category: 江戸川乱歩 |
# プリンセス・トヨトミ
評価:
万城目 学
文藝春秋
¥ 1,650
(2009-02-26)

内容(「BOOK」データベースより)
このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。大阪が全停止した。長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。


個人的には鴨川ホルモーのほうがぶっとんでて好きでした、が、不覚にも父から子への伝承のあたりでちょっとぐっときた。大阪国の人々がそれぞれの「役割」を果たしていくところも結構好きだった。「父と子が二人だけで歩むトンネルでの往復の時間は、二度と持つことができない二人だけの記憶になる。そこで託される言葉は、二度と聞くことができない二人だけの約束になる」
『大阪全停止』っていう帯を見ると、国家とか大規模な団体の割と無機的なものが主題なのかと思うけど、そうじゃなくて大阪らしい(?)義理人情がテーマだった。でもそういう巨大な機関を動かすのだって人間なんだから、それも当たり前といえば当たり前か。
おもしろかった!
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# 草の花
評価:
福永 武彦
新潮社
¥ 460
(1956-03)

結構好きでした…
ショパンの演奏会云々…のあたりからショパン聴きながら読んだらぴったりすぎてびっくりした。ショパンの繊細且つ(作中の言葉を借りるなら)甘い音が生とか死とか愛とかを静かに描いた文中の情景や心情を浮かび上がらせる。特に合うのはやっぱノクターンかなー。

サナトリウムで療養する「私」は汐見茂思という男と出会う。彼は自殺行為にも等しい手術を受けて帰らぬ人となり、「私」に二冊のノートを遺す。そのノートには汐見茂思の青春とも言うべき二つの恋が記されている。
汐見茂思の潔癖であり崇高である思想と愛に打ちのめされた…。現代とは時代背景も全然違うし彼みたいに頭良くもないので、汐見茂思の思想に同意できない部分は多々あったけど、彼の純潔がゆえの孤独ととうとう叶わなかった二つの愛(というかこれは一つと言っていい気がする。藤木忍への愛も藤木千枝子への愛も同じものなんじゃないかなー)作者の綺麗な日本語も相まって感動してしまった…
これはいい!ちょっと文庫欲しくなった…
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