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本と映画。腐女子なので感想にBL表現まじります。そのあたりご了承のうえどうぞ。
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# エロティシズム
評価:
G・バタイユ
筑摩書房
¥ 1,575
(2004-01-11)

内容(「BOOK」データベースより)
労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌…。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。バタイユ新世代の明快な新訳で送る、待望の文庫版バタイユの核心。


読む前から一度読んですんなり理解できるとは思わなかったけど、やっぱり読んでみて明確に理解することはできなかった。ある本(笑)に入っていた『同性愛の経済人類学』という論文を読んで、そこにエロティシズムと労働の関係について書かれていたので、おかげで少しは入って行きやすかったのかも。

先に論じたことを後でも繰り返し述べられているような形になっているので、そのあたりは理解しやすかった。
あくまでこれは男性視点のエロティシズムだな、というのは感じた。女性のことははなから無視されているような。そこになんとなく違和感があった。確かにエロティシズムという問題を論じるときに、男性主体になるのは仕方ないのかもしれないけど。これが書かれた時代もあるだろうし。
でも興味深いことがたくさん書かれてたのは確かだと思う。一貫して語られていたのは「禁止は侵犯されるためにある」ということ。つまり規則は破られるためにある。ただし、そのとき禁止は乗り越えられるだけであって、消滅するのではない。しかも禁止の侵犯は動物的なものではなく極めて人間的。
『汝殺すなかれ』『肉の交わりは、ただ結婚においてのみ果たされるべし』聖書においてこの二つの命令がなされているのは改めて考えるとおもしろい事実だと思った。


そのうち『バタイユ入門』でも読んで出直してきます。
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# 犬はいつも足元にいて
評価:
大森兄弟
河出書房新社
¥ 1,260
(2009-11-07)

内容(「BOOK」データベースより)
中学生の僕と犬が、茂みの奥で見つけた得体の知れない“肉”の正体とは?―兄+弟による驚愕の完全共作!第46回文藝賞受賞作。


書いたのが仲良し兄弟だと聞いて読みました。
兄弟についての記事があったので、続きに産経ニュースのものをそのまま抜粋。萌える。
完全に二人で共作ってすごいと思う。しかも兄弟で。絶対仲良くないとできないですよね。
本の中身がどうとかじゃなくて書いてる人に萌えるとか最低ですいません。でも萌えた。

肝心な本の内容は、「犬はいつも足元にいて」という牧歌的なタイトルに反して退廃的。魅力的な登場人物は一人もおらず、僕が飼っている犬ですらちょっと気味が悪い。なんだか気持ち悪い人物描写の参考になりました。
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# 空中ブランコ
評価:
奥田 英朗
文藝春秋
¥ 500
(2008-01-10)

内容(「BOOK」データベースより)
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。


これ第2弾だったの…!?
伊良部先生癒しキャラ。でも実際にこんな人いたらイラっとするんだろうなあ…
サクっと読めた。
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# 幼年期の終わり
内容(「BOOK」データベースより)
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。



おもしろかった…
これが五十年も前に書かれていた話なのかとびっくりした。先見の明ありすぎ。
SFって普段あんまり読まないけど、SFいいなあとか思ってしまった。脳みそ柔らかくなる気がする。
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# 悼む人
評価:
天童 荒太
文藝春秋
¥ 1,700
(2008-11-27)

内容(「BOOK」データベースより)
聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。七年の歳月を費やした著者の最高到達点!善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語。


近い時期に読んだからかもしれないけど、なんとなく平野圭一郎さんの『決壊』に似ているように感じた。人間の善悪と死を描き、『どうにもならないことがある』という虚無感が二つの作品にはある。でも、『決壊』が徹底的にニヒリズムを突き詰めているのに対して、この作品には僅かな救いがある。それが愛とか情とかいうもので、不確かなものだけど、人間はそれに縋らずにはいられないし、最期の瞬間に求めるのは、結局そういうものなのかもしれないと思う。 ていうか逆に言うと、愛とか情とかが排除された『決壊』はすごい作品だってことなのかも。
まだ自分は若いし、比較的平和な日本に住んでいるから、『死』を自分に訪れるものとして具体的に考えたことはないし、考えることもできないと思う。けど、もしも静人のような人がいたら、死に際しての苦しみとか痛みみたいなのが少しは和らぐかもしれない。そう考えると『忘却』が人間にとっては一番恐ろしいものなのかなぁ。
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# 斜陽
評価:
太宰 治
角川グループパブリッシング
¥ 340
(2009-05-23)

 内容(「BOOK」データベースより)
「人間は恋と革命のために生れて来た」。古い道徳とどこまでも争い、“太陽のように生きる”べく、道ならぬ恋に突き進んでいく29歳のかず子。最後の貴婦人の誇りを胸に、結核で死んでいく母。自分の体に流れる貴族の血に抗いながらも麻薬に溺れ、破滅していく弟・直治。無頼な生活を送る小説家・上原。戦後の動乱の時代を生きる四人四様の、滅びの美しさを描き、戦後、ベストセラーになった、太宰の代表作。


思ったよりおもしろかったなぁ。濃密なデカダンの薫りがたまらなかった。太宰の作品で一番好きかも。
上原の「しくじった。惚れちゃった。」のセリフに惚れた。ちょっとお茶目な中年ていい。
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# 新宿二丁目ウリセン物語
評価:
飛川 直也
河出書房新社
¥ 1,365
(2004-09-17)

内容(「BOOK」データベースより)
お金と引き替えに、若さと自分と愛を売る。この仕事は、最終で最後の仕事だよ!ゲイタウン、新宿二丁目。親に棄てられ、借金にまみれ、ギャンブルで負け、女をはらませ…。さまざまな事情を抱く男の子達が、今夜もある決意をしてこの街に流れつく。あふれる哀歓に満ちた感動のドラマ。


筆者はウリセンバーの経営者。
安っぽい人情物語に見えた…。ウリセン経営してる人が社会的マナーとか義理人情とか説いても全然説得力がない。職業に貴賤はないとは思うけど、人に体を売る仕事をさせておいて、偉そうなこと言えないんじゃないの?と思う。
確かにウリセンという仕事があったお陰で、最悪の事態を免れた人もいるのかもしれないけど、ウリセンで働く少年たちのことを『感動のドラマ(笑)』に仕立ててしまうのはどうかと。それなら、実際に身売りをしてた人が書いたほうが説得力があるし、読者も真摯に受け止めようと思うんじゃないかなあ。
批判ぽいこと書いたけど、いろいろ勉強になりました。ウリセンの料金体系はどの店もほとんど一緒、とか。料金は意外と安いんだな、とか。女性のお客さんもOKなお店もあるんだな、とか。
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# 決壊
評価:
平野 啓一郎
新潮社
¥ 1,890
(2008-06-26)

評価:
平野 啓一郎
新潮社
¥ 1,890
(2008-06-26)

内容(「BOOK」データベースより)
2002年10月、全国で次々と犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。被害者は平凡な家庭を営む会社員沢野良介。事件当夜、良介はエリート公務員である兄・崇と大阪で会っていたはずだったが―。絶望的な事件を描いて読む者に“幸福”と“哀しみ”の意味を問う衝撃作。


徹底的なニヒリズム…!
おもしろかったけど、決して快い読書ができる本ではなかった。
はっきり言って読むのが辛い。きつすぎて途中寒気が…。

平野啓一郎さんは初めて読んだけど結構好きだった。
今作はドストエフスキーの影響を受けた作品らしいですが、確かに現代版『罪と罰』とも言えなくもないかも。「殺意」を誰か特定の個人から個人に向けられたものではなく、「純化された殺意」「世界の殺意」のように匿名で無名の純粋な意思(意思?)に昇華させているのが『罪と罰』のラスコーリニコフ的だと思う。
インテリの転落とか、ただラスコーリニコフを踏襲するだけじゃなくて、いじめ、現代人の没コミュニケーション、ネット社会、マスコミの執拗な報道、冤罪とか死刑制度とか現代的な問題提起に溢れた、まさに“現代版”を冠するにふさわしい本なのかも。
しかし怖いな…。「殺人」という目的のために「殺人」が行われるなんて恐ろしい。自分の利益(例えば誰かが憎いからとか、金銭的な事情とか)のために罪を犯すほうがまだ人間的だと思う(決して犯罪を擁護しているわけではなく)。でも今はきっとそんな「純化された殺意」による犯罪が多いんだろうな。なんか悲しいよ!

他にすごく個人的な感想として、遺族と遺体の対面のシーン、あと良介のビデオなんかはものすごく心が痛んだ。あまりに辛くて読むのやめようかと思った。このあたりは平野さんの文章力なんだろうと思う。

とにかく色々考えさせられる本でしたー。文庫化したら欲しいなー。
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# 飛ぶ教室
評価:
ケストナー
光文社
¥ 500
(2006-09-07)

内容(「BOOK」データベースより)孤独なジョニー、弱虫のウーリ、読書家ゼバスティアン、正義感の強いマルティン、いつも腹をすかせている腕っぷしの強いマティアス。同じ寄宿舎で生活する5人の少年が友情を育み、信頼を学び、大人たちに見守られながら成長していく感動的な物語。ドイツの国民作家ケストナーの代表作。


少年たちの純粋な物語に心癒された…みんなかわいい。児童文学にありがちなご都合主義的な展開も確かに多かったけど、それでも鼻につく感じはせず、素直に感動できた。
印象に残った所を二つ抜粋。
「賢さのない勇気は乱暴にすぎない。勇気のない賢さは冗談にすぎない」
「すごく幸せってわけじゃない。幸せだなんて言ったら、ウソになる。けどさ、すごく不幸でもないんだから」
今読んでも充分楽しめたけど、小中学生の頃に読みたかったとも思う。

禁煙さんと正義さんの二人でクリスマスに萌えました。
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# 妃は船を沈める
評価:
有栖川 有栖
光文社
¥ 1,680
(2008-07-18)

内容(「BOOK」データベースより)
所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。“妃”と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。危うく震える不穏な揺り篭に抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。―何を願って眠るのだろう。臨床犯罪学者・火村英生が挑む、倫理と論理が奇妙にねじれた難事件。


やっぱ火アリいいなぁ…結構理想的な夫婦(BL的な意味で)かもしれない。和む。
今回火村が割と感情的だった気がする。自虐的な発言とかしててびっくりした。相当妃沙子さんに苛々してたみたいですね。妃沙子さんみたいな女と過去に何かあったのかな?
相変わらずアリスはかわいい。へっぽこ助手もっとやれ!火村になってアリスをいじめてやりたい!公式でもナチュラルに火村がアリスの家に泊まりにくるからほんとにびっくりです。公式も同人とたいして変わらない\(^O^)/
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